大地のコレクション展2022

中原 浩大

中原 浩大 1961 -

中原 浩大 1961 -

BankART1929池田修セレクションより出品 

中原浩大は、80年代前半より同世代の学生を中心とする様々な自主企画によるグループ展に参加し、作品の発表活動を始める。多様な素材を用いて様々にスタイルを変えながら、インスタレーション・立体・平面などの制作を続ける。その後、それまでの作品制作や作家活動への疑問を契機に、1990年の個展「Homage to the LEGO age」以降、自身のあり方を問い直そうとする意識から様々な試みを行う。90年代後半の発表活動から距離を置いた時期を経て、2000年以降は「AAS 宇宙への芸術的アプローチ」などの共同研究やプロジェクトへの参加、ツバメの塒入りの観察記録、自己の幼少期の描画物を一覧する展示を企画するなど、幅広い活動を志向し展開している。

■略歴
1961 岡山県生まれ
1986 京都市立芸術大学大学院美術研究科修了

■主な個展
2013  中原浩大 自己模倣 岡山県立美術館 / 岡山
2012 中原浩大 Drawings 1986-2012:コーちゃんは、ゴギガ? 伊丹市立美術館 /兵庫
2009 変成態 - リアルな現代の物質性 vol.1 中原浩大」 ギャラリーαM / 東京
1990 中原浩大展 ヒルサイドギャラリー / 東京

■主なグループ展
2022 関西の80年代  兵庫県立美術館 / 兵庫
感覚の領域 今、「経験する」ということ  国立国際美術館 / 大阪
2019 PARERGON: Japanese Art of the 1980 and 1990‘s-Part II Blum & Poe, LA / USA
2018 ニューウェーブ現代美術の80年代  国立国際美術館 / 大阪
起点としての80年代  金沢21世紀美術館 / 石川
2017 ジャパノラマ1970年代以降の新しい日本のアート ポンピドーセンター・メッス /フランス
2014 田中信太郎+岡崎乾二郎+中原浩大「かたちの発語」展 BankART Studio NYK / 神奈川
2002 ロストワールド -記憶の遊園〜岡崎和郎/小沢剛/田中功起/中原浩大 豊田市美術館 / 愛知
1994 Japanese Art After 1945: Screaming Against the Sky  Guggenheim SOHO Museum, ニューヨーク, アメリカ / 横浜美術館 / 神奈川
1993 第45回ヴェネツィア・ビエンナーレ Aperto '93: Emergency ヴェネツィア/ イタリア
1988 Shintaro TANAKA + Kodai NAKAHARA」 ヒルサイドギャラリー / 東京

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中原浩大は、80年代前半より同世代の学生を中心とする様々な自主企画によるグループ展に参加し、作品の発表活動を始める。多様な素材を用いて様々にスタイルを変えながら、インスタレーション・立体・平面などの制作を続ける。その後、それまでの作品制作や作家活動への疑問を契機に、1990年の個展「Homage to the LEGO age」以降、自身のあり方を問い直そうとする意識から様々な試みを行う。90年代後半の発表活動から距離を置いた時期を経て、2000年以降は「AAS 宇宙への芸術的アプローチ」などの共同研究やプロジェクトへの参加、ツバメの塒入りの観察記録、自己の幼少期の描画物を一覧する展示を企画するなど、幅広い活動を志向し展開している。

《持ち物》オリジナル:1984 再制作:2014 石膏 2550x1000x3100mm courtesy of BankART1929

《プロジェクトNo.9で使用したスピーカーボックス》オリジナル:1992 再制作:2014 courtesy of BankART1929

作家より以下のコメントをいただきました。
「私は2010年8月に、当時友人達と共同でシェアしていた作業場兼倉庫の全焼火災を経験しました。焼け焦げてボロボロになりながらも何とか取り出せた僅かなもの以外、そこで保管していた全てのものを焼失するという出来事をきっかけに、その後私がとった行動には自己模倣ともいえる心理的な反応によるものがいくつもありました。自作への再アプローチもその一つです。今回展示する2点のうち《持ち物》のオリジナルは、1984年の個展で展示した後に自ら解体廃棄した作品です。また、《プロジェクトNo.9で使用したスピーカーボックス》のオリジナルは、2010年の火災で焼失しました。」

今回の出品は、BankART妻有の企画をもとに、故池田修氏のセレクションにより実現した。池田氏は、田中信太郎+岡崎乾二郎+中原浩大「かたちの発語」展に寄せて、次のような言葉を遺している。

中原浩大は、粘土を使った「持ち物」と名付けられた作品群からスタートし、真鍮や鉛等の金属、木や石、布等の様々な素材を用いた巨大な彫刻群を連続して発表してきました。とりわけレゴを用いた圧倒的な彫刻は、見るものに量とフォルムと色についての新しい感覚を刻みつけました。
また絵画においても「ギフチョウ」「海の絵」に代表される、大きく豊かな作品群は、ミケランジェロのように、量塊とデッサンについての新しい視座を与えてくれました。その後も身体と機械や家族をテーマにしたシリーズ、ツバメを撮影しつづけた日常と非日常の世界、その他、プライベートとパブリックを往来する作品群を次々と発表してきました。
今回の展覧会では、昨年、岡山県立美術館で開催した「中原浩大展 自己模倣」をリレーした形で展開します。初期の粘土の作品や巨大なドローイングが新しいスタイルを伴いながら、BankART Studio NYKに登場するでしょう。(中略)
同世代につくることの勇気を与え続けてくれた氏の現在を垣間見せてくれる展示になると思います。
《Kodai Nakahara》(田中信太郎+岡﨑乾二郎+中原浩大「かたちの発語」展 個別カタログ 2014 BankART1929発行より抜粋)

BankART Studio NYK(の3Fデッキ)にて、池田修氏と 
courtesy of BankART1929

大地の芸術祭 出展作品

プロジェクトNo.9で使用したスピーカーボックス
オリジナル(Original):1992、再制作(reproduction):2014
2030x900x1800 mm

持ち物 
オリジナル(Original):1984、再制作(reproduction):2014
2550x1000x3100 mm
石膏

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