大地のコレクション展2022

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柳 幸典

柳 幸典 1959 -

柳 幸典 1959 -

BankART1929池田修セレクションより出品 

90年代初頭より蟻の巣作りを作品の中心に据えた《アント・ファーム・シリーズ》を発表し、95年に第45回ヴェネツィア・ビエンナーレのアペルト部門賞を日本人として初めて受賞、国内外から注目されるようになった。移動、越境、国家など様々な社会的問題をとりあげ、ユーモアをもって作品化している。瀬戸内海の犬島に遺された銅の精錬所の遺構と建築、作品を融合させた《犬島精練所美術館》(2008)、京都の老舗旅館「すみや亀峰菴」のアートギャラリープロジェクト(2021)など多彩なプロジェクトを展開し、また協働者とともに制作を通して離島の再生を試みる《NPO法人ART BASE百島》を主宰。2012年より尾道市の離島百島を拠点に活動を続けている。

■略歴
1959 福岡県生まれ
1985 武蔵野美術大学大学院造形研究科卒業 / 東京
1990 イエール大学大学院美術学部彫刻科 / ニューヘイブン、アメリカ
1993 第45回ヴェネツィア・ビエンナーレ アペルト部門受賞

■主な個展
2021 YUKINORI YANAGI Blum & Poe / ロサンゼルス、アメリカ
2021 柳幸典つなぎプロジェクト2021 - Beyond the Epilogue
つなぎ美術館 / 熊本
2021 Wandering Position 1988-2021 ANOMALY / 東京
2019 YUKINORI YANAGI Blum & Poe / 東京
2016 Wandering Position  BankART Studio NYK /神奈川
2010  犬島「家プロジェクト」/ 岡山
2000 あきつしま 広島市現代美術館 / 広島
1998 Image, Nation and Transnation
カリフォルニア大学アーバイン校アートギャラリー /アーバイン、アメリカ
1995 Project Article 9 クイーンズ美術館 / ニューヨーク、アメリカ
Wandering Position 直島コンテンポラリー・アート・ミュージアム / 香川 
1991 The World Flag Ant Farm ヒルサイドギャラリー / 東京
1990 Wandering Position ヒルサイドギャラリー / 東京     
1988 PLANαM —transform ギャラリーαM / 東京
1987 柳幸典 ヒルサイドギャラリー / 東京 
1986 Ground 土の記憶 神奈川県民ホールギャラリー / 神奈川 

■主なグループ展
2021 Ad-Diriyah Biennale: Feeling the Stones / サウジアラビア
2020 PSYCHIC WOUNDS: ON ART & TRAUMA  The Warehouse /ダラス、アメリカ
2019 Part II - PARERGON: JAPANESE ART OF THE 1980S AND 1990  Blum & Poe / ロサンゼルス、アメリカ
2018 第21回シドニー・ビエンナーレSUPERPOSITION: Equilibrium and Engagement Cockatoo Island / シドニー、オーストラリア
2017 ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」
横浜市開港記念会館 / 神奈川
2013 森美術館10周年記念展ー六本木クロッシング2013「アウト・オブ・ダウト」展 森美術館 / 東京
2010 瀬戸内国際芸術祭 家プロジェクト / 犬島、岡山
2008 アトミック・サンシャインの中へ-日本国平和憲法第九条下における戦後美術 Puffin Room / ニューヨーク、アメリカ, ヒルサイドフォーラム / 東京
2006 インフォーカス:リヴィングヒストリー   テートモダン / ロンドン、イギリス ほか
1996 サンパウロ・ビエンナーレ「ユニバーサリス」 サンパウロ / ブラジル
1994 戦後日本の前衛美術 Screaming against the Sky グッゲンハイム美術館 / ニューヨーク、アメリカ, 横浜美術館 / 日本
1993 アペルト'93、第45回ヴェネツィア・ビエンナーレ /イタリア
1987 アートドキュメント’87 栃木県立美術館 / 栃木

■受賞歴
2008 第15回日本現代藝術振興賞受賞 -

■コレクション/パブリックアート
東京国立近代美術館 京都国立近代美術館 国立国際美術館 神奈川県立近代美術館 文化庁 ルイジアナ美術館

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Ground Transpositionシリーズは、80年代から制作された一連の土の球体の作品。柳は昆虫のフンコロガシが糞を転がす様子を見て、人間が同じような尺度でつくったサイズを想定し、土や発掘物、モルタルなどを素材に球体をいくつも制作した。栃木県立美術館で行われた《アートドキュメント’87》では、柳自身が「大地をころがして作った土の玉を美術館に移送、リリースする。侵入手段は転がして行い、また侵入経路は玉の大きさにより異なる。途中階段、常設作品などの障害物を通過しなければならない場合もある。玉の1つはヘリウムガスにより会場を浮遊し、他の展示会場も侵犯する可能性を持っている」と語っている。
様々な境界線を超えようとした柳にとって、空間の中を浮遊し、移動する作品は、外部からその隣接する空間に越境し、両者がお互いに反響しあうという効果を生み出す装置であったのではないだろうか。こうした境界への興味は、その後の万国旗のシリーズにも繋がっていくように思われる。

《グラウンド・トランスポジション》1987年 / 2016年(再制作)courtesy of BankART1929

この作品について、作家にコメントを寄せていただきました。
「この土玉のプロジェクトは私の作家活動の原点であると同時にライフワーク的仕事と言える。近年では、沖縄の辺野古の土と、ロサンゼルスの日系人強制収容所のあったマンザナールの砂漠の砂で作った二つの球体をロサンゼルスのギャラリーで展示した。現在は韓国の離島に設計している湖に浮かぶ美術館(2023年完成予定)に、現地の海の塩と干潟の泥で球体を作る計画が進行中である。
2016年のバンカートの個展で作った本作品は、3・11東北大震災の原子力発電所事故のために除染された土で作りたいと提案した。実現は叶わなかったが、被災地をリサーチした際に持ち帰った一握りの土が込められている。」

柳幸典(2022年7月)

福島県南相馬市(展覧会前の作品リサーチで訪問)にて、池田修氏、柳幸典氏 courtesy of BankART1929

今回の出品は、BankART妻有から池田修・BankART1929元代表(2022年3月16日逝去)が生前本展のためにセレクションした大型立体作品の特別出展として実現したもの。

池田氏は、2016年の《YUKINORI YANAGI Wandeing Position》展に寄せて次のような言葉を遺している。
「ワンダリング・ポジション=さまよえる位置」。柳の1980年代の初期の活動は、この言葉に牽引されるような作品が続く。廃棄物を球体化し、糞ころがしのように大地を転がしたかと思うと、土の塊のような大きな鞠を巨大な採石場跡(地下)で浮遊させる。ドラム缶を絵の具のチューブに見立て、自らが色煙の中を彷徨ったり、モルタルで巨大(5m)な鯛焼きを制作し、屋外につり下げ、魚拓にしたりもする。作品そのものが帰属感のない根無し草のような印象だ。こうした作品群のつかみどころのない浮遊感は、柳自身のその後の生き方を予感していたように思える。(柳幸典「ワンダリング・ポジション」2016, BankART1929 展図録より抜粋)

1987 アートドキュメント’87 栃木県立美術館 展示風景 ©︎YANAGI STUDIO Photo:Y.Sakai









大地の芸術祭 出展作品

グラウンド・トランスポジション
オリジナル(original):1987、再制作(reproduction):2016
φ2000 mm
土、FRP

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