大地のコレクション展2022

エステル・ストッカー

エステル・ストッカー 1974 -

エステル・ストッカー 1974 -

エステル・ストッカーは1974年、イタリア・シュランダース生まれ。オーストリア、ウィーン在住。
ウィーンの美術アカデミー、ブレラ美術アカデミー(ミラノ)、アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(カリフォルニア州パサデナ)で学びました。国際的な美術館、財団、ギャラリーで定期的に展覧会を開催しています。

■略歴
1974年 イタリア・シランドロ生まれ。
1994-1997 ウィーンの美術アカデミー
1996 ブレラ美術アカデミー(ミラノ)
1990-2000 アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(カリフォルニア州パサデナ)

■主な個展
2021
ギャラリーペトラ・シウージ, シェルフリング / オーストリア
「キッシング スクエア」ギャラリーアルベルタ・パーネ, ヴェネチア/ イタリア
2020
「ラヴィング インパーフェクト」ギャラリーアルベルタ・パーネ, ヴェネチア/ イタリア
2019
「アナーキー オブ フォーム」ドクターユリアス アートプロジェクト, ベルリン/ ドイツ
「サンズ リミテッド」 ギャラリー サンティレール, フリブール / スイス

■主なグループ展
2022 大地の芸術祭




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エステル・ストッカーの作品は、主に抽象的・幾何学的な視点による絵画とインスタレーションで構成されており、この2つのジャンルは互いに密接に関連しています。インスタレーションは、黒、グレー、白のモノクロームで描かれた絵画を3次元に投影したものです。それらは空間的、彫刻的な絵画を実現しようとしているようです。言い換えれば絵画的な空間とも言えるのでしょうか。

彼女の研究は、社会的かつ現代的なアプローチで、視覚と空間の知覚に焦点を当てています。彼女の作品の制作は、彼女の芸術的手法の不可欠な部分である、高度に精巧な数学的言説と結びついています。アーティストの考察は、次のような問いに焦点をあてています。「完璧なシステムが実際にはどのように不完全なのか?」彼女の幾何学的な構造は、永遠に自己反復するモジュールに基づいており、一見秩序立った視覚的なリズムを生み出しますが、そこに収差(ズレ)を加えて、元のイメージに隣接するが新たなリズムを生み出します。このように光学的なバランスに狂いをもたらすことで、秩序と平面の次元を意図的に破壊し、驚きと感動を生み出しているのです。

《憧れの眺望》2021年 大地の芸術祭2022 photo by Keizo KIOKU

無意識に目線が奪われ、
知覚した空間が圧倒的な量感をもって既成概念に襲い掛かります

鑑賞者と作品との間に大きな扉は存在しません
シンプルに、白と黒とが織りなすゆらぎを許容するかしないかだけになります。
ふと気づくと少し前に、作品に襲い掛かられ、立ち止まっていた自分自身の存在に気付く

時・場・心・・・これらが持つひずみを自由に行き来させる作品です。
平面、立体作品では収差を用いたズレを見せる絵画、および彫刻を作っていますが、インスタレーション作品では、完全に幾何学的な構造の中に鑑賞者が入り込むことでこのズレがより顕著に現れます。絵画、彫刻では一定だった視点が内部に入ることで新たな近く体験をえることになります。

エステル・ストッカー作品展示風景(7/30-9/4)photo by KEIZO KIOKU 

今回出品されている絵画は線を連ねたもの。以前あるインタビューに答えて(註1)
「この世界が線だけで構成されている様子を私は想像できます。線と線によって構造が生まれ、そのスケルトン構造の中で、我々ひとりひとりが生きることができるのです。私たちの動きは全て、線とその軌跡に基づいているからです。・・・私の作品の中で動くものは観者だけ。その人なりの考えや知覚、空間の中に置かれた身体を以て動きます。そういう方法によって、動かないスタティックな作品でも我々自身の中の感情を導き出すことができると信じています。」と語っています。

立体作品も展示されており、これらは空間によって向きを変えてもよいそうです。「私のつくる形を、こうあるべきという予想や期待から解放したいのです。どうしても今ある条件によって想像力が限定されてしまいがちですが、私がめざす形というのは、定義できず、からっぽで、オープンなもの。いわゆる秩序から外そうと試みています。ですから、私のシステムは不完全で、拡張していくタイプです。」彼女の幾何学的な構造は、永遠に自己反復するモジュールに基づいており、一見秩序立った視覚的なリズムを生み出しますが、そこに収差(ズレ)を加えて、元のイメージに隣接するが新たなリズムを生み出します。このように光学的なバランスに狂いをもたらすことで、秩序と平面の次元を意図的に破壊し、驚きと感動を生み出しているのです。
(註1 Interview by Alberto Fiore from https://www.estherstocker.net/)

大地の芸術祭 出展作品

untiltled
2021
2000 x 3000 x 20 mm
綿キャンバスにアクリル絵の具
untiltled
2022
400x400x20mm
綿布にアクリル絵の具
【展示終了:2022/9/4まで】untiltled
2020
1000x1000x20mm
綿布にアクリル絵の具
Untitled(2021_SK-3)
2021
210x650x750 mm
アルミニウムにプリント、厚紙
【展示終了:2022/9/4まで】Untitled(2022_SK04)
2022
160x340x390mm
アルミニウムにプリント、厚紙
Untitled(2022_SK08)
2022
120x300x320mm
アルミニウムにプリント、厚紙
【展示終了:2022/9/4まで】Untitled(2022_SK11)
2022
250x680x670mm
アルミニウムにプリント、厚紙
【追加展示:2022/9/10~11/13 】untiltled
2022
1600 x 1400 x 20 mm
綿布にアクリル絵の具

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